企業物価上昇 転嫁に格差(2022/5/17日経3)
企業物価が歴史的な水準で上昇し、値上げに踏み切る企業と価格に転嫁できない企業との差が目立ち始めた。
資源高や円安を背景に素材が6割超上がったのに対し、消費者が使う最終商品は5%弱の上昇にとどまる。ウクライナ危機や円相場の先行きが不透明のなか、価格転嫁を巡り大手と中小の格差が広まる懸念もある、とのこと。
我が国では値上げは嫌われています。真っ当な理由があっても値上げをしない。それが企業努力というモノだと思われているようです。誰もが収入を得て暮らしをたてておりますので、収入の原資となる商行為があるはずです。値上げをしないと商いは小さくなり、収入が減るのです。
にもかかわらず、家庭の消費が嵩むことの方が受け入れられないのですね。商売<家庭という背景があるのでしょうか。生産者やサービスの提供者の訴えは小さくて弱く、消費者や利用者の声は大きくて強いのです。輸配送サービス提供者の声はか細いですね。
原価があがれば売価も上がるのは正常な行為ですが、これが出来ないというのは、やっかいな環境です。経営の神様の「お客様は王様」とか、似たような言葉の「お客様は神さまです」というのがネジ曲がった今日があるのでしょう。
この国独自の商慣習をガラパゴスと嫌っていた人たちも値上げをしない日本が大好きですね。「言うは易し」ではありますが、頑張って値上げしましょうよ。その勇気も大切です。