海空:「その袋とじは、時がきたらあけるんじゃ。」
AKIRA:「はぁ・・・。」
海空:「コホン。そろそろ時間じゃな。では最後に、”運行管理者試験”について話そうと思う。」
珍一:「キャッ!」
海空:「ん?お前落ちたのか。」
しーん。
運行:「独立を目指すドライバーたるもの、運行管理者試験の知識は必須じゃ。」
珍一:「・・・・。」
海空:「運行管理者とは、安全運行を管理するスペシャリストであるからして、」
海空:「当然に、運送事業の経営者に求められる最低限の知識が詰まっていると言える試験なのじゃ。」
海空:「つまり、経営者の目線をもつ第一歩ということじゃ。」
珍一:「経営者・・・」
AKIRA:「そうだね。今まで全部会社の人がやってくれてたけど、独立するとなると、自分達で考えていかないとならないもんな。」
海空:「うん。実際、下記の分野から出題されている。」
<運行管理者試験の出題範囲>
①貨物自動車運送事業法関係
②道路運送車両法関係
③道路交通法関係
④労働基準法関係
⑤実務上の知識
珍一:「”法”とか書いてある時点でめまいが・・・」
海空:「うむ。もうすこし簡単に説明すると、
①貨運法は、運送事業者のルール。お前らが立ち上げる、一般貨物自動車運送事業の運営に必要なことや、約束ごとが定められておる。
②車両法は、トラックにまつわるルールだな。整備・点検など、ドライバーだったらとっつきやすい内容じゃ。
③道交法は、トラックの免許持ってんだから大丈夫だろ。
④労基法は、賃金などの労働条件のルールだけではなく、ドライバーの運転時間、拘束時間のルールなど、普段は意識しないかもしれないが、かなり大切な分野である。
⑤実務上の知識は、総合問題じゃ。普段ドライバーをしてれば分かる問題もあるし、暗記必須の問題もある。計算問題もちょっと出るが、落ち着いて解けば点数がとりやすい問題じゃ。
・・・・いきなり「運送事業の経営者になれ」って言われても、何していいのかイメージ沸かないだろ。この試験は、そんなお前らにとって丁度良い入り口なんじゃ。」
珍一:「経営者への入り口・・・」
海空:「合格率20パーセントと言われている、簡単ではない試験だが、
お前らはもう、ふつうのドライバーではない。”起業を目指すドライバー”なのじゃ。」
珍一:「起業を目指すドライバー・・・」
海空:「その時点で他の受験者より一歩、いや、十歩、いや、百歩先に行っている!」
珍一:「ひゃっ!?」
(僕だって、もしかしたら、一~三郎兄ちゃん達と、肩を並べることができるかもしれない・・・)
珍一:「ぼ、僕・・・や、やりまぁす!」ブワッ!
海空:「やりまぁす、じゃねーだろ。やって落ちたんだろ。先にいってるのは気持ちだけじゃ。ちゃんと勉強しなかったらまた落ちるぞ。」
珍一:カクッ!