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日本、港湾の競争力低下 昨年のコンテナ船寄港、20年間で最低(2022/8/28日経2)

 

コロナ禍で日本の港湾競争力低下に拍車がかかっている。海上物流の混乱が長期化する中、海運会社は貨物量の少ない日本への寄港に後ろ向きで、国内主要港へのコンテナ船の寄港隻数は2021年に00年以降で最低を記録した。

 

米国の主要港への直行便が減る中、荷主は韓国など国際ハブ港経由での輸送に切り替えざるを得なくなり、輸送日数の予想が厳しくなるといった問題も浮上している、とのこと。

 

 

全国のいたるところを「津々浦々」と云うのは、海に囲まれた日本固有の表現です。記事を見てドキッとしたのは「港湾の競争力低下」という見出しです。うーん、港湾の力が低下しているのでしょうか?確かに隣国のハブ港は東アジアのハブ港として機能を発現しており、日本のどの港より取り扱い荷量が多いようです。

 

大きくて、使いやすい港も重要ですが、この国の物流結節点としての港はそもそも分散しています。陸運よりも舟運の方が大量輸送は容易ですし、海洋国家日本の物流は舟運の方が先に発達してきたのです。

 

交易が減少すれば取り扱い荷量は減りますが、港湾の競争力が低下しているという理解は正しいのでしょうか。私はインフラとしての港湾機能が低下しているとは思えません。量は大事な目安や指標となりますが、これから人口の減る国では、量よりも「適切さ」が大事です。