黒海穀物輸出 半月で21隻 計56万t、なお侵攻前の1/5(2022/8/19日経3)
黒海経由でのウクライナ産穀物の輸出が再開して半月がたった。輸出量は約56万㌧と侵攻前ピークの1/5程度で、トウモロコシが全体の8割を占めた。
国連の事務総長は、穀物輸出の正常化を促す方針だが、アフリカなどでの食糧危機の緩和は見通せない、とのこと。
この記事ではウクライナだけに焦点が当たっていますが、ロシアとカザフスタンを合わせて世界三大穀倉地帯を成しており、「世界のパンかご」とも呼ばれているそうです。
ロシア産の小麦は世界輸出量の16-20%で、ウクライナは概ね10%程度です。併せて約3割の小麦輸出が相当な困難に晒されているのです。日本の輸入量は世界シェアで2%程ですが、世界中で小麦をはじめ、穀物が不足するのは明らかです。
数字だけを見ますと、特にアフリカに限定した話でもなさそうですが、世界で小麦争奪戦が始まりますと購買力の弱い国は必要な量の獲得が難しいのでしょう。日本でも物価高への影響は小さくないですね。パン屋やラーメン屋は大幅な値上げが必要でしょうし、お店の存続に関わるかもしれません。穀物は飼料でもありますから、畜産業にも問題を生じさせます。
遠い国の戦争の話が、自分の食卓や財布に影響してくるのですね。だからという訳ではありませんが、一刻も早く、戦争が終わることを祈ります。