海空:「続いて、”ぽつん”について見ていこう。」
珍一:「ぽつんって、独りぼっちって意味のぽつんですか?」
海空:「うむ。そうじゃ。”ぽつん”には、③飛び地、④遅、早があるな。これは場所のぽつんと、時間のぽつんという意味じゃ。」
AKIRA:「③飛び地は、荷物が一つだけ遠い場所にあるパターンだね。」
水木:「④遅、早は、配送の時間帯のぽつん、ってことか。」
海空:「うむ、”ぽつん”の荷物も、”あぶれ”と同様、できれば自車隊で運びたくないわな。」
AKIRA:「運んだとしても少量だし、採算とれなさそうですよね・・。ちょうどいい路線便が見つかればいいけど・・。」
海空:「そうだな。”ぽつん”の荷物があるってことを、予(あらかじ)めわかっていればいいが、翌日のオーダーが揃ってこないと分からないケースが多い。これをうまく手配するのが、配車マンの腕の見せ所だな。」
AKIRA:「”ぽつん”はだいたい配車中に分かるってことか・・。」
海空:「一方、荷主が取り扱う荷物の中で、そもそも自車隊で運んでいないものがある。」
海空:「それが、”たらず”じゃ。」
AKIRA:「たらず・・・。」
珍一:「そのまんまだね。」
海空:「うむ。これは予(あらかじ)め自車隊では対応できない荷物があると分かっている場合じゃな。」
海空:「”たらず”はイメージしやすいじゃろ。簡単に説明すると・・・」
「⑤時間は、営業時間外の荷物などじゃな。」
「⑥エリアは、配送対応区域外の荷物、」
「⑦車数は、そもそも車(トラック)が足りない場合ということじゃ。」
三人:「・・・・・。」
海空:「よし、じゃあ次の頁を・・・ん?」
三人:「・・・・。」
海空:「お、お前ら大丈夫か?・・・いきなり限界が来たな。」
AKIRA:「ほ、本なんて、久しく読んでないもので・・・」
海空:「・・・そうじゃな。ちょっと休憩するか。」
三人:「ふぁ、ふぁい・・・。」
海空:「いまは辛いかもしれんが、こういう勉強も必要なんじゃ。」
海空:「お腹がすいた人に魚を与えれば、1日は食えるじゃろう。」
海空:「しかし、魚の採り方を教えればその人は一生食っていけるんじゃ。」
海空:「今お主らは、魚の採り方を学んでいるのじゃ。」
三人:「・・・・・。」スヤスヤ
海空:「聞いてねぇか・・・。」
つづく