海空:「そしたら第3章から輪読、そこのメガネじゃ。」
水木:「は、はひ」ガタッ。
水木:「ト、トラック方丈記第3章・・・荷主も同じく、7つの悩みを持つ。
すなわち、”あぶれ”、”ぽつん”、”たらず”なり。
あぶれには、①急と②はみだしありけり。
ぽつんには、③飛び地と④遅・早があり、
たらずには、⑤時間、⑥エリア、⑦車数に分かれる。」
海空:「はい。そこまで。何のこっちゃ分かるか?」
水木:「う、う~ん。荷主の7つの悩みですか・・。あまり考えたことがなかったです。」
海空:「うむ。先ほどはトラック(運送会社)の7つのスキマを説明したじゃろ?今回は、仕事をたのむ側、荷主の7つの悩み(ニーズ)についての解説じゃ。」
AKIRA:「荷主かぁ。社長はいっつも”荷主のワガママに振り回されてる”って言ってるな。ドライバーにとっては、ちょっと上の存在というか・・。」
珍一:「てゆうか絶対服従だよね。」
海空:「ワガママか。しかし、相手が何を求めているか、何に悩んでいるかを知れば、ワガママにも理由があると分かる。理由がわかれば対処できることもある。最近は力関係もだんだん変わってきてるしな。」
海空:「ドライバーであるお主らにはイメージしづらいかも知れんが、”彼を知り己(おのれ)を知れば、百戦あやうからず”っちゅーこっちゃ。孫子(そんし)の言葉じゃな。」
珍一:「そんし・・・」
AKIRA:「彼・・・おしり?おしりと何の関係が?」
海空:「ズルッ!」
海空:「コ・・・コホン。荷主と言っても、いろんな種類の荷主がいるが、今日は”自社のトラックを保有する倉庫会社”をイメージしよう。」
水木:「自分たちでも倉庫の中の荷物を運んでるけど、外部のトラック(路線便等)も使ってる倉庫会社ですね。」
海空:「そうじゃ。倉庫会社の配車マンは、日々、どのトラックに、どの荷物をどれだけ積んで、どんなルートで荷物を届けるか考えている。そんな彼の7つの悩みじゃ。次のページをご覧あれ。」
海空:「まずは”あぶれ”から考えてみよう。あぶれには、①急と②はみだしの2パターンあるな。」
海空:「①急は、翌日の配車が決まった後なのに、急にもう1件荷物を運ばなくてはならなくなったケースじゃ。」
海空:「②はみだしは、配車をしている時に、どうしても荷物があぶれてしまい、うまく配車できないケースを表している。」
水木:「配車後に急に来たパターンと、配車中に、自社のトラックじゃ対応できないと分かったパターンですね。」
運行:「うん。出来れば自車隊で運びたくないが、運ばなきゃいけない。こんな時は、無理してでも自社トラックで運ぶか、路線便に投げるかしないといけないな。」
つづく