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トラックドライバーAKIRA

トラックドライバーAKIRA 第48話

運行:「それでは輪読を再開する。そこのちんちくりんパーマ、読みなはれ。」

AKIRA:「へ?ちんちくりん・・・」

 

しーん。

 

海空:「うん。お前しかいないだろ。どう見ても。」

 

AKIRA:(割と気に入ってる髪型なんすけど・・・)

 

え、えーと。コホン。

 

 

AKIRA:「トラック方丈記第2章・・・トラックに7つのスキマあり。すなわち、時間・荷台のスキマである。時間のスキマは”前、中、後”に分かれ、荷台のスキマは、”つみ合わせ、帰り、行き”に分かれる・・・。」

 

 

海空:「はいストップ。ちんちくりん、どうですか?」

 

AKIRA:「う~ん・・・スキマ・・・。はっ・・!これは、相当ボロいトラックですね。時間のスキマ、、、つまり、トラックのメンテナンスをずっとサボってると、荷台の前とか後ろとか、いろんなところに穴空いちゃって、スキマ風が吹いちゃうよ?ってことっすね?」

 

 

海空:「お前、果汁100パーセントのアホだな。さっきの話きいてたか?」

 

AKIRA:「へ?果汁ですか?・・・100パーセント?それはどういう意味の、、、」

 

海空:「アホ!そっちじゃなくてアホのことを気にせい!」

 

海空:「さっきの話っつーのは、トラックの積載稼働率の話じゃ。」

 

AKIRA:「せ・・積載稼働率・・・」

 

海空:「スキマとは、時間のスキマと空間(荷台)のスキマのことを言ってるんじゃ。」

 

海空:「トラックの荷台に注目すると、行き便は100%でも、帰り便は0%だったりする、って話をしたろ?これがトラックのスキマじゃ。」

 

AKIRA:「はぁ・・・。」

 

海空:「トラックのスキマは7つありけり。」

 

水木:「7つ?帰り便のスキマならなんとなくイメージ湧くけど、他に6つもスキマがあるのか・・」

 

海空:「うむ。次の頁をご覧あれ。」

 

 

珍一:「ふむふむ・・・スキマには、”時間のスキマ”と、”荷台のスキマ”があって、あとは”まる空き”か。そんでもって、それぞれ3つに分かれてるぞ・・・?」

 

海空:「そうじゃ。先ほどメガネが言ってた、帰り便のスキマは⑤のスキマになるな。仕事があっても、荷台に半分しか入っていない場合は、④つみ合わせのスキマになる。」

 

AKIRA:「なるほど・・。時間のスキマっていうのは・・・?」

 

海空:「午前中の配送仕事がない場合は、①前のスキマになり、夕方の仕事がない場合は、③後のスキマという考え方じゃ。一日中仕事がなかったら、⑦まる空きになるな。」

 

水木:「そっかあ。ある意味当たり前のことを言ってるけど、ここまであんまり意識したことなかったな。」

 

珍一:「配車係が持ってきたものを運んでるだけだったもんね。」

 

海空:「うむ。今一度、自分の仕事に照らし合わせて考えてみぃ。スキマがポコポコ見つかってくるじゃろ。」

 

珍一:「確かに、、うちでは午前便と午後便の間に、けっこう長い待機時間があったりするなぁ。つまり、②時間−中のスキマか。でも・・・・」

 

海空:「でも、なんじゃ?」

 

珍一:「それをスキマっていうのもちょっと抵抗があります。待機時間も結構大切(プライスレス)な時間なんですよ。ドライバー仲間とコミュニケーションとったり、細々とした仕事があったりで・・・」

 

海空:「うむ。一般のドライバーだったらそれでいいかもしれん。コミュニケーションについても否定せん。だがな、お主らが目指すものは経営者でありドライバーなのじゃ。」

 

海空:「1日あたりに1件、余計に仕事がとれたらどうじゃ?・・・サラリーマンだったら仕事だけが増えてソンな気持ちになるかもしれん。しかし、仕事をやった分だけ報酬をもらえるとしたら?1ヶ月で、22件分の仕事の報酬が加算されるんじゃ。どうにか工夫してやるじゃろ?プライスあってこそのプライスレスじゃ。」

 

珍一:「そ、そうですね・・・!」

 

海空:「ギチギチに仕事を詰めろ、と言っているわけではない。ものの見方を変えるんじゃ。そのために、トラックの7つのスキマを自分なりに意識しておけい。」

 

つづく