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トラックドライバーAKIRA

トラックドライバーAKIRA 第46話

ミーンミーンミン・・・

ふー。

 

 

 

AKIRA:「トラックドライバー起業セミナーの会場はここか。」

 

水木:「しかし、中国から戻ってきて早々、セミナーはゆううつだよね。」

 

珍一:「うん。絶対寝るわぁ・・・。」

 

三人:「あっ!入り口!」

 

 

水木:「看板も立ってるね。・・・ん?」

 

これは・・・・。

 

AKIRA:「ドライバー起業・・・?」

 

AKIRA:「なんか殴り書きで上書きされてるけど、毎度のごとく嫌な予感しかしないなぁ・・・」

 

三人:「・・・・。」

 

 

~ドライバー起業塾会場~

 

ガラッ。

AKIRA:「へ?誰もいないけど?俺ら三人だけ?」

 

珍一:「そうみたいだね・・・。ん?講師の人が来たみたいだ。」

 

ガララッ!!!

 

海空:「ワシがドライバー起業塾塾長、海空(かいくう)であるっ!!!

 

・・・・。

し~ん。

 

三人:「(やっぱりカロリー高めの変なの来たぁ・・・。)」

 

海空:「ふむ。今日は3人か。」

 

三人:「ふぁ、ふぁい!よろしくおなしゃす!!!」

 

海空:「ふん。元気だけはあるみたいだな・・・。果たして講義終了までに何人残るかな?

 

AKIRA:(それもうちょっと人がいるときのセリフだろ・・・)

 

海空:「早速だが、ドライバー起業塾ではこの教科書を使用する。他の書籍を持ってきた奴は、焼き捨てるべし。

 

AKIRA:「ふぁ、ふぁい・・・って・・・」

ト、トラック方丈記(ほうじょうき)・・・?

 

水木:「えっと、これが・・・教科書・・・?方丈記って・・・・」

 

海空:「うむ。まずはこの”トラック方丈記”から説明しなければならんな。」

 

海空:「お前ら、かの有名な”方丈記”については知っておろう?方丈(3メートル四方の家)に住んでいた、鴨長明(かものちょうめい)の随筆(ずいひつ)じゃ。」

 

 

水木:「は、はあ・・・なんとなくは・・・。」

 

海空:「うむ。方丈記は、人生の無常観を書いたものよ。無常とは、すべてのものは移り変わり、いつまでも同じ状態にとどまることは無いということだ。」

 

珍一:「はあ・・・・」

 

海空:「元々、ワシはとある運送会社の社長だった。しかし・・・・」

 

海空:「昨今の運送会社を取り巻く状況は、まさに無常よ。人手不足、厳しい配送条件、儲からない仕事・・・社長の椅子にあぐらをかいていたワシは、日々変わりゆく運送業界の環境についていくことができなかった。”現状維持”なんてものは無いと思い知らされた。」

 

海空:「そして・・・ワシの会社は倒産し・・・」

 

 

海空:「世俗を捨て、”方丈生活”をしていたのよ。」

 

AKIRA:「(いや・・・それただのホームレスじゃ・・・・?)」

 

海空:「方丈生活も1年が経つ時であった・・・。とある古書店にて、直立不動で読書をしていたその時・・・」

 

 

海空:「方丈記と出会ったのじゃ。」

 

AKIRA:(Book-ONで立ち読みしてただけじゃ・・・?

 

 

海空:「方丈記の無常観と、ワシの人生、そして日々変化するトラック業界・・・・全てがリンクした瞬間じゃった。」

 

海空:「方丈記をインスパイア(パクリ)し、スーパーのチラシの裏に書き連ねた随筆、それがこの”トラック方丈記”じゃ・・・。なんか質問あるか?

 

AKIRA:「・・・・ありません。(長くなりそうだから、スルーしよう)」

 

 

海空:「ふむ。なかなか理解も早いの。」

 

海空:「本日は、このトラック方丈記を輪読しながら進めていくぞ。」

 

つづく