チュンチュン・・・
運行:「一か月の厳しい修行、よく耐え抜いたな。」
AKIRA:「ふぁ、ふぁい!!」
運行:「これから下山し、運行管理者試験を受験してもらう。」
AKIRA:「えっ?今日ですか??えらい急な・・・」
運行:「うむ。ワシの弟子に龍の刻印(マーク)がついたヤツがいる。そいつも同じ会場で受験予定じゃ。」
AKIRA:「ああ、そんなこと伝九郎さんが言っていたような・・・」
運行:「心眼を鍛えたお主にとっては、見つけるのはたやすいじゃろう。」
AKIRA:「心眼・・・ですか。」ゴクリ
運行:「弟子の名前は、珍一(ちんいち)。奴に槍を持たせたら右に出るものはいない。」
AKIRA:「無双の槍の使い手・・・。ゴクリ・・。」
運行:「とりあえず、運行管理者試験に間に合わないとな。すぐ下山の準備じゃ!ゆけ!AKIRAよ!」
AKIRA:「運行師匠!ありがとうございました!!」
運行:「おう。達者でな。」
ザッ、ザッ、ザッ・・・・。
AKIRA:(修行は大変だったけど、いざ卒業するときは、やっぱり寂しいもんだなあ。)
ザッ・・ザッ・・・ザッ・・・・。
AKIRA:「久しぶりの下界だなぁ~。」
AKIRA:「なんか、ちょくちょく視線を感じるけど・・・・気のせいか?」
AKIRA:(山ごもりの修行で、感覚が研ぎ澄まされたのかもしれないな。)
運行管理者試験、試験会場のピロピロ大学は・・・・こっちか!
AKIRA:「何とか間に合った!」
ザワザワ・・・。
受験番号4180・・・・ここか。
スッ。
AKIRA:「とりあえず、試験開始まで集中だ・・・・。フゥー。」
隣の奴:(((クサッ!?)))
試験官:「それでは、試験を開始してください」
AKIRA:(よしっ!修行の成果を見せるんだ!!!)
バッ!
次の記述のうち、一般貨物自動車運送事業者が貨物自動車運送事業法の規定により公表すべきとされている輸送の安全に係る事項として誤っているものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。
1.輸送の安全に関する基本的な方針
2.輸送の安全に関する目標及びその達成状況
3.選任されている運行管理者の数
4.自動車事故報告規則第2条に規定する事故に関する統計
AKIRA:(・・・・・・・・・。)
・・・・。
AKIRA:(わかる・・・・・・!!)
わかるぞ!!!!!
とける・・・・!!!とけるぞ!!!!!
隣の奴:(くせー!)
((スラスラとける!!!))
((運行師匠!ありがとう!!))
ピピッ。
試験官:「試験終了です」
・・・・。
AKIRA:「くぅ~~~!!」
手ごたえあり!受かったな!
AKIRA:(隣の奴がプルプル震えてて、なかなか集中できなかったけど・・・自分の力は出せた!)
AKIRA:「そういやしばらくアツアツの風呂入ってないし、銭湯でも行くかなっ!!」
あっ。そうだ。
運行師匠が、兄弟子も受験してるって言ってたけど。
いないなあ。
キョロキョロ。
・・・ん?
あいつは!
ド―――ン。
(絶対あいつだ・・・。)
第33話へつづく