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1 運送の仕事をブンカイしてみる

運送業って何?先ずは運ぶ道具。馬でも、ロバでも、自転車でも。
これに荷車をつければ荷物が運べます。普通に考えればトラックでしょう。
それから馬方?、ロバ方?、自転車乗り?という運ぶ道具を扱う人が必要です。普通に考えればトラックのドライバーですね。
「これ、運んでほしい」という声が聞ければ「はいよ!」といって目的地まで無事に荷物を届けますと運賃をもらえて運送業が成り立ちます。
簡単ですね。

誰でもが運送を担うことは可能でしょうか? はい、できます。
ですが、それで暮らしを立てるのは難しいでしょう。「業」というのは、継続的に行うことが前提です。利用する人が「この人に頼んで良かったわぁ」という満足があって、継続的な関係になれるのです。
ロバ1頭と荷車を持っていて、「よっしゃ、運送業を起業するぞ!」と言ったら、女房、子供に爺ちゃん、婆ちゃんは大反対です。

だから、運送業をやりたい人は、ロバを育てずに運送会社に入社します。
それでは、なぜ?運送会社はドライバーを雇えるのでしょうか?沢山のドライバーを雇っている大きな運送会社もあります。数人でやっている運送屋さんもあります。
運送会社とドライバーの関係はどうなっているのでしょうか?
運送会社の仕事の大きさやカタチによっては様々なのですが、強引に運送会社とドライバーの役割を分けてみます。

100円の運賃をもらえる仕事があるとします。この100円の中身を60円と40円に分けます。最初の60円は、実際にA地点からB地点まで荷物を運ぶ代金です。
この60円の中はドライバーの給料やトラックのローン、ガソリン代などです。
あとの40円は運送会社がいただきます。運送会社は、何もしていないように見えますが、どうして40円を取るのでしょう?

40円に相当する役割をひとつひとつ見ていきましょう。

①運ぶものが1000万円の精密機械だったら?あなたは、見ず知らずのドライバーに運んでもらいますか?
②また、あなたが「とても大切なモノだから、確実に明日の午前中に届けて欲しい」と頼まれたら、あなたはどうしますか?やはり、見ず知らずのドライバーにはお願いしますか?私なら自分で届けに行くと思います。
③また、忙しくしていて、朝一番に頼まないと別の仕事にいってしまうドライバーにいつも仕事を頼むことはないでしょう。
それぞれ、①財務的な信用、②運送品質の信用、③安定提供の信用、というものだと考えます。運送屋さんや運送会社はこれらの信用を担っているのです。具体的に言うと、①は万一の事故があった場合でも対応する力です。②は、引き受けた荷物を確実に運ぶ力です。③は、いつでも仕事を引き受ける力です。
全ての商売の源は信用ですから、これだけでも、40円に負けない位の大きな値打ちがあると思います。

それと、労務管理という仕事があります。先ほどの③のいつでも仕事を引き受ける力にも関係がありますが、複数のドライバーが無駄なく働けるように、配車という荷物を配る段取りを整えたり、働く時間を調整したり、体調を壊したドライバーの穴埋めを考えたり、ドライバーが目の前の仕事に専念できるように細やかな手配をする仕事があります。こういった労務管理があるからこそ、ドライバー達は無駄なく走り回ることができ、そのことが結果的には商売を支える信用になります。

まだ、あります。
商売をするのは、儲けるためにやるのが普通です。儲けが出たら全部自分のものにしていい訳ではありません。①儲けの中から税金を払わなければなりません。②その前に、どの位も儲けているのかを解っていなければなりません。③それにガソリンや高速料金などの支払いや、荷主からもらう運賃も、出入りするお金をキチンと数えなければなりません。
①は税務、②は会計、③は出納という経理の仕事です。これもドライバーではなく運送会社が全部やってくれている仕事です。大きな会社になると経理部がありますが、それだけを専門的にやっている人達がいるのです。

そして、最後に営業があります。素早く、丁寧に、安全にモノを運ぶドライバーがいても、仕事がなければ稼ぎはありません。信用と実績があれば、口コミで仕事が入ってくるかもしれませんが、それでは心許ないでしょう。荷主の「運んでほしい」とドライバーの「運びましょう」とくっつけてくれるのが営業です。仕事を取ってくる人がいれば、安心してドライバーという仕事に専念できます。

トラックを運転することが出来ても、運送業を起業する人が少ないのは、モノを運ぶ以外にも必要な仕事がいろいろとあるからです。

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