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トラックドライバーAKIRA

トラックドライバーAKIRA 第58話

てめぇっ!この野郎!

コ――――ン。

 

 

AKIRA:「痛で!?」

 

吉五郎:「おお、中身が空っぽだと、いい音がなりやがる。」

 

 

やったな!この野郎!

 

ギューーーー。

吉五郎:「イデデデデ!!」

AKIRA:「ちょっとはイケメンになったんじゃないか?」

 

AKIRA:「この野郎!」

吉五郎:「この野郎!」

 

小暮:「ん?なんだこの騒ぎは・・・」ガラッ

 

小暮:「ゲッ?!

 

コラッ!!何やっとる!!

ポコポコ。

 

やめろっちゅうに!

 

スマホポロッ。

 

バキッ・・・。

 

小暮:「あっ!?」

 

し~ん。

 

小暮:「・・・そこに座れぃっ!!!」

 

・・・・

・・・

・・

 

小暮:「つまり、拾ったお金を受け取る、受け取らないでケンカしてたのか?」

 

二人:「は、はい…。」

 

小暮:「アホ。お前ら大人だろ。そんな事でケンカしてどうすんだ。腹が減るだけだろうが。」

 

吉五郎:「こ、こいつが殴りかかってきたんです。」

 

小暮:「本当か?AKIRA。」

 

AKIRA:「いえ、違います。自分の拳がヤツの頬に当たっただけです。」

 

小暮:「バカ。それを”殴った”というんじゃねぇか。先に手を出したお前が悪い。」

 

 

AKIRA:「ち、違うんです。ヤツが吸ってたキセルにつまづいて、バランスを崩しただけです。そんな事より、コイツの言葉遣いどうにかならないんですか?金持って、さっさと帰れって…。俺ぁ、金が欲しくて財布を届けに来たんじゃねぇや。落とした奴が気の毒だな、と思って持ってきたんじゃねぇか。」

 

小暮「ふむ…そうだな。吉五郎、お前が悪いぞ。」

吉五郎:「えっ!?お、俺だって、落とした金に執着するような男じゃねえってんだ。そりゃあ、免許証を届けに来てくれたのは感謝してますよ…。だけど、こいつの格好、藤物の新入りでしょ?年は下かもしんねぇが、入社年度は俺のが上だ。それが言葉使いがどうのって・・・そんなこと言われたら腹立ってきて、意固地になってしまったんでごぜぇます。」

 

小暮:「ふむ。まあ、お前の気持ちもわからんでもない。」

 

AKIRA:「いや、おかしいでしょ!財布を拾いました。届けました。ありがとう。それで済む話じゃないですか!」

 

小暮「うむ。そういうことだな。吉五郎、反省せぇよ。」

吉五郎:「こいつが先に殴りかかってきたんですよ!」

小暮:「そうだったな。AKIRA、お前が悪いので吉五郎に謝れ。」

 

 

(どっちだよ!!!)

 

小暮:「…あいわかった。この裁(さば)き、わしが承った。」

 

AKIRA:「へ?裁き?」

 

小暮:「吉五郎、akiraよ。お主ら、3万円は受け取れぬと申すのだな?」

 

二人:「は、はあ。(さっきから言ってるけど…)」

 

小暮:「そもそも、このケンカは、この3万円がなかったら起きなかったケンカじゃ。違うか?」

 

AKIRA:「・・・?まあ、そうですね…。」

 

小暮:「そうじゃな。よし、あいわかった。ケンカの火種であるこの3万円はワシが没収しよう。」

 

二人:「へ?」

 

小暮:「お前らの”いらぬ”という願い、ワシが叶えたる。この3万円は、お前らのためにワシが貰い受ける。。異論ないな?」

 

二人「・・・・(なんかすっきりしない…)」

 

よし、これにて一件落着とする!

ビシッ。

 

伝九郎:「アホ。」

 

ビクッ!!

小暮:「で、伝九郎社長!!」

 

つづく